哀しいバーニーズをゼロに！
少しだけ嬉しいことがありました。
僕がかつて働いていた繁殖場の、繁殖犬を減らすよう交渉しているオーナーから、ついにバーニーズマウンテンドッグの繁殖をやめると言質を取りました。
子を産むためだけに生かされる、狭い世界しか知らない哀しいバーニーズたち。
数年前は10頭ほどいたのですが、その数もどんどん減っていき、ほとんどが急死でした。
短命とは聞いていましたが、おそらく胃捻転で、本当に急に亡くなってしまうのです。
朝は元気だったのに、夕方見に行ったら倒れていた。
帰る時は元気だったのに、朝来たら倒れていた。
看取ることもできず、外の世界を見ることもできず、最期を迎えてしまったあの子達。
スマーン、ジャスミン、メニー、次男……。
どこに連れて行かれたかもわからない、気がかりで仕方がないあの子達。
ラベンダー、しーちゃん……。
そして、団体さんや里親さんの元で第二の犬生を懸命に歩んでいるあの子達。
ハナちゃん、バター、マーガリン！
唯一メニーだけは、看取ることができたのを今でも憶えています。
2021年8月。
呼吸がおかしくなっても、尻尾を振っていた最期の姿。
数十分後には立ち上がれなくなり、見送ることしかできなかった最後の夕暮れ。
はっきりと憶えています。
翌日、僕が埋葬したことも。
目ヤニが酷い子だったスマーンは、放置されてしまっていたのがあまりにも不憫で、自分でいろんな目薬を買ってきてなんとか治そうと頑張ったけれど、全然ダメだった。
そのうちどんどん痩せてしまって、太らせるために狭いバリケンで管理するようになり、結局ガリガリになって亡くなってしまった……。
今、繁殖場にいる最後の2頭。
♂と♀が1頭ずつ、これが最後のバーニーズです。
スマーンを助けることはできなかったけれど、♀のほうはスマーンの娘です！
近いうちに、団体で保護できると思います。
今後、この繁殖場からバーニーズの哀しい命が生まれることはなくなるはずです。
小さな一歩ですが、前に進みました。
↑2021年11月に旅立った、今は亡き次男。
この檻の中で戦った全てのバーニーズに、この報せを贈ります。
哀しい命達に、最後だけでも在るべき犬生を
歓びは一瞬です。
まだまだ数えきれないほどの哀しい命が、哀しい犬生を送り続けています。
こちらのページで、看取りボランティアさんを探している旨を記しましたが、どうにかしたくても僕の力不足でどうにもできない子がいます。
常に葛藤しています。
本当は連れて帰りたいけど……それで石松家はやっていけるのか？
犬達のお世話は僕が一人でやっています。
時間的にも体力的にも経済的にも、一人では限界があります。
連れて帰ったらどうなるか？
本当にそれが今すべきことなのか？
僕には何が正解かわかりません。
ただ一つ言えるのは、このままだとあの子達は外の世界を見ることもなく、繁殖場で死ぬ未来しかないということです。
柴♂
老犬の柴♂です。
おそらく前庭疾患を発症しています。
生まれてからずっと繁殖場で暮らし、外の世界を知りません。
活発だった頃は咬み癖が酷く手に負えない子で、結局ほとんど交配もしなかったようです。
しかし今は、もう旅立つ準備をしているかのような日々を送っています……。
ラブラドールレトリーバー♀
2012年生まれのラブラドールレトリーバー♀です。
生まれてから繁殖場で子犬を産まされ続け、外の世界を全く知りません。
レスキューできていませんが、年齢的に里親を見つけるのはかなり困難だと思われます。
まだ元気ですが、余命は短いでしょうし、看取りになってしまう可能性が高いです。
繰り返し言っていますが、このやり方に問題があるのは重々承知しています。
本来なら、レスキューして医療にかけて里親さんを探すべきなのはわかっています。
ですが僕の力不足、且つ時間がありません。
事情が事情だけに、事を大きくしたくはないこともご理解ください。
本当に、本当にどうしようもなくなったら、最期は僕の家で死なせてあげたいとも思っています。
会長には怒られるかもしれませんが……。
(-_-;)
でもそうなる前に、この子達に温かな家で、イエイヌとしての犬生を知ってほしいのです。
厳しい冬が来る前に……。
どうか、この子達の声が誰かに届くことを祈っています。
一歩前進。
そう言いつつも、この子達を置いて前には進めない、そんな気もするのです……。
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