練習せずに自転車に乗れるだろうか
以前ブログで書いたこともありますが、犬にとって散歩とは特殊な技能であり、生まれつき誰でもできる簡単なことではないのだと思います。
人間で言えば、子供の頃、自転車に乗るために公園で練習しましたが、あのような経験がないと犬も散歩は難しいのです。
そもそもパピーミルで暮らす繁殖犬は、首に妙な輪っかと紐を付けられ、人間と同じ速度でまっすぐ歩き、座り込んだり寝転んだりもせずに一定のペースで目的地へ向かう――「散歩」というものの存在を知りません。
散歩とは、犬にとって当たり前のものでは決してないのです。
ジャーマンシェパードのマックスと一緒に過ごしていた時、マックスを一日でも散歩に連れ出さなければ虐待になるのではないかという、強迫観念のような思いがありました。
「犬にとって散歩は当たり前で、飼い主の義務」だと信じ込んでいたからです。
勘違いしないでいただきたいのは、「散歩に連れて行かなくてもいい」と言っているわけではなく、その当たり前だと思っていた散歩すら知らない犬達が、世の中にはたくさんいるのだということを知ってほしいのです。
石松家にいたボーダーコリー♂の――マハロ君がまさにそうでした。
狭いバリケンの中で、24時間のうち23時間55分を過ごすだけの日々。
寝床もごはんも、トイレも全て数枚の新聞紙の上。
空は見えず、空調もなく、空虚なだけの生活を何年も送ってきました。
散歩? そんなものは知りません。
なんなら全力疾走もしたことがないかもしれません。
少なくとも繁殖犬として使われるようになってからは、一度も走ってすらいないでしょう。
石松家では、そんなあの子に散歩の楽しさを教えてあげることができませんでした。
今のシェルターの運営の仕方では、それが大変難しく、僕の力不足を痛感しております。
――が、そんなマハロ君がついに……ッ!?
ご家族様から動画を送っていただきました!
マハロ君……懸命に歩いています!
(ノД`)・゜・。
灰色の世界しか知らなかったマハロ君。
今、君の瞳の前に広がる景色は、きっと虹色に輝き始めていることでしょう。
マハロ君にその景色を見せてくださったご家族様に、この縁を繋いでくれた多くの方に、改めてお礼を言いたいです。
ありがとうございました。
マール、ステラ、ミツ、えれな、クルス――死んで行ったボーダーコリーのみんな。
マハロ君は報われたぞ!
クラウドファンディング
話は変わりますが、白夜の医療費に関して、クラウドファンディングのプロジェクトを始めさせていただきたく思います。
まだ問い合わせの段階なので上手く進むかもわかりませんが、今のままだと苦しい運営状況が続くのでどうにかしなければなりません。
現状、朝と夜のわんたちのお世話があるので、一日の勤務時間を短くして週6で働いているのですが、週7に増やそうか悩んでいるような状態(笑)です(涙)
というかこのままだとそうせざるを得ない……。
自分の生活すらままならないようなヤバい状況になったら、僕はこの子達を団体に託して(もしくは全頭無償譲渡して)、一旦シェルター運営をやめなければなりません。
そうならないようにするには、情けない話ですが皆様のご支援に縋るしかなく、これから寄付型クラウドファンディングを活用させていただきたいと考えております。
ご理解のほどよろしくお願い致します。
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