千年航路
睡眠時間と引き換えに、わんたちが寝静まった深夜ネットカフェへ漫画を読みに行きました。
大切なことは全て漫画から教わったのではないかというほど幼い頃から漫画が好きなのですが、今は全然連載を追えない状況なので、半年に一度、溜めていた漫画をネットカフェで一気読みしています。
6時間ほど滞在したのですが、未読分が多すぎて全然読み切れませんでした。
とりあえず『キングダム』と『BUNGO』、『ダイヤモンドの功罪』、そして一番楽しみにしていた『ヴィンランド・サガ』を最新巻まで読みました。
『キングダム』はともかく、ほかの3つ知っていますかね?^^;
好きな漫画は数えきれないほどありますが、僕の人生観に突き刺さった漫画を挙げると3作あります。
『修羅の門(修羅の刻)』、『寄生獣』、『ヴィンランド・サガ』です。
小学生の頃に読んだ『修羅の門・第3部』のブタとクジラのくだり、『修羅の刻・アメリカ西部編』の雷の生き様には、まさに雷に打たれたように二十年近く経った今でも痺れます。
『寄生獣』は有名なので説明するまでもないですね。神漫画です。何度でも読み返したくなります。
そして『ヴィンランド・サガ』ですが、20年間続いていた連載が、いよいよ7月発売の月刊アフタヌーン掲載分で最終話となるそうです。
トルフィンの物語がついに完結してしまいます。
ネットカフェで最終話の前話まで読んだのですが、あと1話で終わり!? と動揺する引きでした。
いやマジかよ……ここからどうやって終わらせんだよ……。
ヴィンサガは実在の歴史を基に描かれた創作です。
主人公のトルフィンの元となった人物は、ソルフィン・カルルセヴニ・ソルザルソンという男であり、彼は西暦1000年頃、歴史上2番目か3番目に大西洋を渡り新大陸ヴィンランド(かつての北アメリカの地名)へと降り立ったヨーロッパ人だと云われています。
不殺の信念。
人を殺さないという信念を持ったキャラクターはたくさんいると思います。
有名どころだと、『るろうに剣心』の緋村剣心とか。
でもいざ戦いになると、剣心は逆刃刀でボコボコにしますよね。
いやそれ死ぬだろってくらいボコボコに(笑)
剣心が過去人斬りだったように、トルフィンもヴァイキングだった少年時代は殺戮を繰り返す生ける屍のような人生を歩んでいました。
父を殺したヴァイキングへの復讐心のあまり、自らも同じヴァイキングになってしまったのです。
しかし自分の手で殺す前に父の仇は死んでしまい、トルフィンは生きる目的を失うのですが――
ヴィンサガが面白いのは、トルフィンが償いのための本当の戦い――奴隷も戦争もない国をヴィンランドに創ると決意し、暴力と訣別した時から、本当に文字通り一切の暴力を封印するところです。
漫画的にそれ面白くなるのか? と思うかもしれません。
剣心が不殺を誓ったからって飛天御剣流を一切使わなかったら、かつての全国のキッズたちは掃除時間に箒で天翔龍閃を放つことすらできなかった。
ですがトルフィンはガチで暴力を振るわなくなります。
それはつまり、漫画から戦闘描写が消えるということです。
それって漫画として面白いのか!?
はい、それでも神憑り的に面白いのがヴィンサガなのです。
厳密に言うと、殺す気で向かってくる相手を制圧するための暴力は行使します。
頭突きで気絶させたり組み伏せたり、相手を無力化するための戦闘行為です。
剣心みたいに相手をボコボコにはしません。
トルフィンはあの日から、もう剣を取らないと決めたのです。
本当の戦士に、剣など必要ないッ!!
ヴィンサガが史実を基にした物語である以上、ある程度結末は決まっています。
そう、ヴィンランド(北アメリカ)への入植、トルフィンの国作りは失敗に終わります。
実際にヨーロッパからアメリカへの入植が盛んに行われるようになるのは大航海時代、つまりそれから500年ほど後のことです。
なぜ史実のソルフィンが入植に失敗したかは不明ですが、漫画ではやはり先住民との争いが起き、トルフィンたち移民と先住民は戦争状態になってしまいました。
いくらトルフィンが友和を説き、自分達はただこの場所で穏やかに暮らしたいだけと主張しても、先住民からすれば移民達は、見たこともない道具を操り、聞いたこともない言語を喋り、木を伐り、自然を壊し、病気を持ち込み、破滅をもたらす侵略者でしかなかったのです。
この辺は読んでいてただただつらかったです;;
トルフィンがどんなに仲間達に武器を捨てろ、話し合いで解決するんだと叫んでも、疑心と不信という悪魔は人々の心をあっという間に呑み込みます。
それはトルフィンと同じ志で、戦争を忌み嫌い、平和の国を創るためにずっと共に戦ってきた○○○○までも……。
戦争により、移民も、先住民も、多くの命が失われてしまった。
憎しみと悲しみが渦巻く死地で、大切な友までも喪ったトルフィンは、それでもなお言います。
――「私に敵はいません」。
千年航路。
トルフィンたちの現実は、およそ1000年前、本当にあったかもしれない物語です。
彼等はなぜ海を渡り、新大陸を目指したのか?
それは侵略のためだったかもしれません。
領土拡大のためだったかもしれません。
でも、もしかしたら、暴力が支配する世界から逃げ出したかった誰かが、新たな大陸に小さな幸せを求めたのかもしれません。
入植に失敗した彼等は、絶望して斃れたのでしょうか?
それとも、1000年後の世界に何か希望を見たのでしょうか?
トルフィンが夢見た千年を航る旅路の答えは、今、僕達の目の前に突きつけられています。
残念ながら、戦争は今も絶えず、暴力によって命が奪われる世界は続いています。
誰かを赦すことは、誰かを憎むことよりずっとずっと難しい。
きっと誰にも敵なんていないのに、敵を生み出し続け、敵を探し続け、敵を殺し続けるこの世界。
うんざりしますよね。
僕ももう、だいぶ疲れました。
許せないこと、むかつくこと、納得できないこと。
やらなければならないこと、為さなければならないことは、特定の誰かを憎んだり、恨んだりすることの先にあるわけじゃない。
人生で大切なことは、いつも漫画に教わります。
僕にも、敵なんていません。
千年航路。
トルフィンたちが戦った「今」と、僕達が戦っている「今」。
寂しいとか哀しいとか辛いとか痛いとか、たぶん昔の人も今の人も、きっと似たようなもんです。
僕も1000年後の世界を夢見ます。
どうかその世界では、繁殖犬達が苦しみから解放されていますように。
僕に敵はいません。
僕は今苦しんでいる繁殖犬を百頭救うこともできないけれど、10年後、20年後、100年後――
千年後の未来に生まれて来る哀しい命を一万頭減らすために、この現実に抗います。
本当の戦いを戦おう。
Aimer 『Torches』
LMYK『Without Love』
アンちゃん、無事手術成功!

アンちゃんの心臓の手術が無事終わりました!
よかったよかった!
アンちゃんのこれまで医療費(主にワクチン代)は石松家へのご寄付を充てさせていただいておりましたが、手術費用に関しましては、預かりボランティアのS様が呼びかけていただきまして、たくさんのご支援を賜ることができました。
手術費用およそ17万円はご寄付で賄えるとのことです。
皆様の温かなご支援、誠にありがとうございました!
ハグー様にも情報掲載
里親募集サイトに関しまして、これまで利用していた「いつでも里親募集中」様に加え、「ハグー」様にも情報を掲載させていただけるようになりました。
随時更新して参りますので、よろしくお願い致します。
薬機法第68条「承認前医薬品等の広告の禁止」により…
いつも利用させていただいている超絶便利な通販サイト「ペットくすり」様に、何やら仕様変更があった模様。
今までは、例えばネクスガードスペクトラがほしかったら「フィラリア」とか「ノミ・マダニ」と検索すればよかったのですが、どうやらそういう検索だとヒットしなくなったようです。
ほしい薬の名称を正確に検索バーに入力しないといけなくなり、それにより同等の効果がある類似した薬が一切検索結果に表示されなくなりました。
ほかのサイトでもそうなのかな?
自分で薬の勉強をした上で利用するのであれば、ここまで安く薬を購入できるサイトってほかにあるのかなってレベルでお気に入りのサイトなので、これからも利用させていただきます。
難点は輸入品なので届くまで3週間くらいかかることです;
クラノスケ・サガ
クラちゃん&タルちゃんママさんから素敵な写真が届きました!
ありがとうございます!
クラちゃんは立派に車椅子を乗りこなし、頑張って歩いています。
すごいぞクラちゃん!



早朝にネットカフェから帰ってきたら不法投棄されていた。
通報しました(-_-)
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