譲渡金10万円は高いのか?

直球のタイトル。
保護犬達の情報を載せる前に、譲渡金に関する話を書きたいと思います。
とは言うものの、僕はNPOにお世話になってからまだ半年も経っていないので、偉そうに語れるほどの知識を持ち合わせていないのですが。
(;’∀’)

第ニ種動物取扱業

僕がシェルターを始める時、まず県の愛護センターに第二種動物取扱業の届出を出しました。
元々、いずれ第一種の登録申請ができるように愛玩動物飼養管理士2級の資格を取得していたのですが、第二種であれば不要なので、未だ役に立ってはいません。
勉強にはなりましたが……インコとかハムスターとかトカゲの。
(^_^;)

第一種は売買や繁殖をするのに必要で、第二種はシェルターなどで多頭飼育をするのに必要、そんなイメージです。
第二種はあくまでも届出なので、愛護センターの職員との面談や視察だけで簡単に終わります。

つまり石松家は第二種の届出のみで運営しているので、僕が保護犬を売買してはいけないということですね。
お金のやり取りは実質的に団体がしているので、僕の与り知るところではないのが実情なのですが。

じゃあ譲渡金って?

そもそも譲渡金とは、保護犬を里親様に託す際に発生する、「治療費+交通費」などのことをまとめた呼称だと思われます。
個人で譲渡活動をされている方も、最低限ここは請求している人が多いのではないでしょうか。
これすら請求しない人は、よほどのお金持ちか無償行為が好きな人に違いありません。
保護犬の治療費を全て自分で賄っていたら、お金がいくらあっても足りないのではと危惧してしまうのですが、実際無償でされている方がいるのも事実なので、どのようにやりくりしているのか聞いてみたいです。
٩( ”ω” )و

で、ここからが問題(?)なのですが、僕は第二種の届出で活動している以上、売買はできないので、譲渡の際に発生するお金はあくまでも「寄附金」なわけです。
里親様にご寄付をお願いしているわけでございます。
変な言い方ですが、そうせざるを得ないわけです。
その金額が、「治療費+交通費+支援金=譲渡金=寄附金」となるのです。
で、ここからがさらに問題(?)なのですが、僕が所属する団体はトラブル防止のため、譲渡の際、一律10万円のご寄付をお願いしているのです。
その金額が妥当かどうか、少し語りたいと思います。

10万円は高い? 安い?

僕の感覚で言うと、譲渡金10万円は感覚的に高くもなく安くもない、絶妙な設定だと思っています。
まあ少し高いかなあという気もしますが、それはもっと安く譲渡している他団体や個人の方という比較対象があるからこそ、そう感じてしまうだけのような気もしています。

僕は今まで6頭の繁殖犬を保護しましたが、保護の際にお金はかかりませんでした。
繁殖場のオーナーに自分で交渉して、ボロボロの子を引き取ったからです。
ですが迎え入れてから病院に連れて行くと、状態のよくない子ばかりなので、手術や薬でかなりの金額が吹き飛びました。
例を挙げると、ミニチュアダックスフントの子が避妊・抜歯・腫瘤切除・癌切除・口腔内治療で25万円、ミニチュアピンシャーの子が避妊・抜歯・腫瘤切除で15万円。
2頭保護で40万円かかりました。
何度も子犬を出産している高齢の繁殖犬は、体がボロボロで、治療費にそれだけかかってしまうこともあるのです。

それを考慮すると、団体で里親様を探している保護犬は、既に病院で治療を受け、最善ではないにしろ健康状態が判明している子なので、10万円という額は個人的には理解できる範囲だと思っています。

「保護犬」と言ってもそれぞれ事情が全く異なる

保護犬と一纏めに呼びはしますが、みんなそれぞれ事情も出自も違うわけです。
ペットショップの売れ残り、捨て犬、野犬、元繁殖犬、元闘犬、元補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)、元警察犬……。
まあ、元補助犬や元警察犬を保護犬とは呼ばないと思いますが、愛護団体がお世話している保護犬達の背景は、みんな異なるのです。

そして石松家では、パピーミルの繁殖犬を主に保護しています。
繁殖犬は保護犬の中でも、体に蓄積されたダメージが大きい場合が多いのです。
長年の運動不足や栄養不足による疾患、ボロボロになった歯と歯肉、皮膚病、遺伝性疾患、そして何より繰り返される交配と出産による生殖器や他臓器の損傷。
当然、躾などもされていません。
同じ保護犬でも、繁殖引退犬には特有の事情があることをご理解ください。

10万円も払うなら新たに子犬を買う!

という考えが脳裏を過ったアナタ。
アナタは保護犬を迎え入れるのを再考したほうが良いです。
保護犬は、「保護犬じゃなきゃ嫌だ!」という固い決意がある人に迎え入れてほしいです。
特に、繁殖引退犬を迎え入れるのは一筋縄ではいかないこともあります。
決意がないと、終生飼養は難しいかもしれません。
具体的には、躾をされたことがないのでトイレの問題。散歩の問題。潜在的な健康面の問題。
幸せな人生を送りたい! ――という思いもわかりますが。
幸せな犬生を贈りたい! ――という想いが、保護犬を迎え入れるには大切なのではないでしょうか。

長々と語りましたが、しかし結局のところ、僕が億万長者だったら譲渡金なんて請求しなくて済むんですよね。
ですが今の僕にあるのは、貯金どころかシェルターを始める際に背負った借金のみ。
(^○^)
もうやるしかないのです!
皆様のご支援、ご協力賜りますようよろしくお願い致します!(血涙)

追記(2023年12月)

譲渡金を下げられるようになりました!
というより、厳密には「医療費+病院までの交通費+譲渡先への輸送費+@」で抑えられるようになりました! というかそうしました!
だいたい5万円前後の子が多いと思いますが、それでも医療費が高額の子はどうしても譲渡金も高くなってしまいます……。
ご理解くださいますようよろしくお願い致します。

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