白夜
お金さえあればと、本当に思います。
何の躊躇も葛藤もなく、犬達を保護するために一直線に行動できる人を僕は尊敬します。
僕にはそれがまだできません。
どうしても、苦しんでいる犬を前にしても、「お金」という言葉が頭の中でぐるぐる回ってしまうのです。
大型犬の医療費。
おそらく里親が見つからない可能性が高い。
つまり譲渡金は当てにできない。
余命は短いかもしれない。
火葬代。
大型犬の火葬代は安くない。
今、石松家は風呂の排水管が壊れているため、業者の修理を待っている状態です。
工事費で10万円はかかります。
痛い出費。
この状況で、里親が見つからないかもしれない高齢の大型犬を保護する余力が僕にあるのか?
どうしても自問してしまう……。
「愛とは差別である」と、僕の好きな漫画で言っていました。
「ならば親が子を、夫婦が互いを、ラグナルが私を大切に思う気持ちはいったいなんだ?」
幸村誠『ヴィンランド・サガ』
「差別です。王にへつらい、奴隷に鞭打つことと大して変わりません。――ラグナル殿にとって王子殿下はほかの誰よりも大切な人だったのです。おそらく彼自身の命よりも……。彼は貴方一人の安全のために62人の村人を見殺しにした。差別です」
「神はこうしている今も我々のことを見ていらっしゃるのだろうな……。友を喪い、親と子が殺し合う。そんな様の全てを天空の高みから見下ろしておられるのだろう。許せぬ……。私はこの地上に楽土を作るぞ。平和で豊かな、生き苦しむ者達のための理想郷を……。私の代では成し得ぬかもしれぬ。それでも最初の一歩を私が踏み出すのだ。神はきっと私を愛で御許へ召そうとするだろう。その時私は神にこう言うのだ。『もはや天の国も試練も要らぬ。我々の楽園は地上にある』とな」
愛は差別。
僕が1頭の犬を保護すれば、その枠に収まるはずだったほかの犬の可能性を殺すことになります。
全ての犬を助けることはできない。
僕が保護する子を選ぶことで、選ばなかった子を間接的に殺すことに繋がるかもしれない。
全ての子を救うことはできない……。
昏い天井。
弱り、見放されこの犬舎に入れられた子は、もう太陽を見ることすらできない。
この犬舎で生まれた子犬達は、生まれてから一度も太陽を見ることなく死んでゆくかもしれない。
今、1頭のラブラドールレトリーバーの子が、この犬舎で死を迎えようとしています。
愛は差別。
『ヴィンランド・サガ』に登場するクヌート(モデルは実在したイングランド王・クヌートI世)は、主人公トルフィンとは別のやり方で、世界から争いや憎しみをなくそうと神に仇なす道を進んでゆく。
それは大勢の命を守るために、多少の犠牲は致し方なしとする覇道。
それがクヌートの「愛」。
神とクヌートの生きる道だった。
震災や津波を喚起する楽曲です。ご注意の上、視聴してください。
『死はいつも水の貌で・・・』に登場する八島知美。
震災で家族を喪った彼が、絶望の果てに縋ったのは神ではなく【科学】。
――けれど 私はもうあの頃の《無力なだけの子供》ではない
Sound Horizon『神と私の生きる道』
夜を越えるたび 幾千の絶望で身を灼いた
果て 暗闇に見つけたヒカリ
人はそれを【科学】と呼ぶ
この道を征けるなら 命さえ決して惜しくない地⛩
これこそが《気紛れに与えられるだけの天命を呪った者》の神なのであると――
誰かを助けるために、与えられた命を燃やそう。
【科学】にヒカリを見出し、それこそが自分にとっての神なのであると、この楽曲では歌っています。
僕にとっての神は、いったいなんだろうと考えます。
命さえ決して惜しくないと言えるようなヒカリを、僕は未だ見つけられていないのでしょう。
ですがその、愛という名の差別を強要してくる不公平で不条理でクソみたいな神と僕の生きる道の果てには、昏い天井ではなく太陽が燦々と輝く空が広がっていると信じ、自ら背を押すように進もうと思います。
今、この記事を書いている時も悩んでいます。
ですが思考を文章にするという行為は、自分の気持ちを整理できて落ち着きます。
昏い天井ではなく、眩い太陽を。
――【白夜】という名前はどうだろう?
続きを報告できるのは、少し先になるかもしれません。
この差別の結末がどうなるか、幸運を願わずにはいられません。
繁殖犬にされてしまった黒柴♀
2016年9月に和歌山県のブリーダーの元で生まれてすぐ、繁殖場のオーナーに買われ繁殖業者を転々とし、パピーミルで暮らしてきました。
確認できただけで5回の出産経験があります。
生まれた子犬はオークションからペットショップに流通し、商品として売られました。
つまりアナタの愛犬の柴犬の、お母さんかもしれない子です。
このままでは、一生外に出られず檻の中で哀しい犬生を過ごすだけです。
一日でも早く、この子に在るべき犬生を送ってほしいと思います。
全国の繁殖場には、おそらくとてつもない数の余剰犬が存在しています。
この子もその中の1頭に過ぎません。
寄附金に関しまして
いつもご支援、ご協力賜りまして誠にありがとうございます。
いただいた支援金に関しまして、ご報告させていただきます。
使用した分も必ずご報告致します。
11月以前、街頭などで寄付していただいた支援金については団体の活動費とさせていただいておりますが、今後石松家へのご支援に関しましては僕が管理致しますので、ご理解のほどよろしくお願い致します。
コメント
走くんがいる&譲渡可能地域から遠いので
黒柴ちゃん、障碍のあるコーギーくんを引き取ることは
実質問題として出来ません。
だけど、子を産むマシーンとして不要だからという、
そんなくだらない理由でごはんも満足にもらえていない様子の
レトリバーちゃんを見捨てることは、私にはどうしても出来ない。
ふっくらしているのが普通のレトリバーが、あんなに瘦せているなんて。
出来るだけ早く引き出してあげて下さい。
レトリバーちゃんの医療費と食事代は、私が何とかします。
全額は無理かもしれないけれど、それでも放っておけない。
私にできる最大限の援助をしますので、どうかあの子の命のある間に
太陽の光を浴びさせてあげて下さい。
散歩や日常のお世話は地理の関係で出来ません。
私の生活を切り詰めることであの子が救われるなら、本望です。
けれど、引き出した後のお世話が無理だと貴団体様が判断されるなら、
あきらめます。
残り少ない命なら、最後くらいは花開かせてやりたい。
私の携帯電話から着信を入れておきますね。
どうぞご検討下さいますようお願いいたします。
ご連絡ありがとうございました!