年が明けども檻は開かず

年が明けようが、気分が晴れやかになることはありません。
暦を気にするのは人類だけで、新年を迎えようと動物達には何の関係もないのです。
動物園や水族館、酪農、養鶏、養豚、そして繁殖犬……。
命を扱う仕事をするということは、年末年始だろうがお盆だろうがゴールデンウィークだろうが、動物達のお世話をする覚悟を持つということです。
繁殖犬達は、今夜も寒さと戦い、朝陽を待ちます。
1月1日の朝陽に、何の意味もありません。

2021年1月1日。
ハナ子が虹の橋の袂へと翔たいていきました。
10歳のコリー♀で、一度だけ一緒に散歩に行ったことのある子でした。
足を擦って歩いていたから、お婆ちゃん犬なんだということはすぐわかりました。
大晦日の時点で旅立つ準備をしているように見えて、もしかしたら年を越す前に逝ってしまうかなとも思っていました。
そして年が明けて、朝様子を見に行ったら、彼女はもう出発した後でした。
年を越せたでしょうか。
その日は快晴だったことを憶えています。
旅立つにはいい日だったと、そう思います。

年が明けたからと言って、この現実は何も変わりません。
全国の、全世界の、檻の中の繁殖犬達は、人類が浮かれている間もただ哀しい時間を過ごすだけです。

以前より情報を載せていたコーギーの子の様子を見てきました。
だいぶ成長して大きくなっていました。
後ろ足の膝が曲がらないようですが、なんとか歩けるようです。
早く出してあげたいです。

これは僕の憶測ですが、奇形の子は育てても商品にならないため、パピーミルでは死なせてしまうと思います。
障碍を持った子犬が一定数生まれてしまうことは、正しい繁殖を行なったとしても避けられない面があります。
人間と同じです。
では、生まれたその子達はいったいどこへ行ったのか?
このコーギーの子やうしおのように、繁殖場の中で飼い殺しとなり誰にも存在を知られず死んで行くのでしょうか?

繁殖場で子犬を産めなくなった引退犬、いわゆる余剰犬は、もはや用済みの存在です。
病気を患ってしまえば、病院にも連れて行ってもらえず、ただ死を待つのみ……。
利益優先のオーナーが首を縦に振らなければ、従業員にはどうすることもできないのが現実。
結局のところ、その子の所有権はオーナーが持っているからです。

なんだか気分が沈む話題ばかりで申し訳ありません。
いろいろありましてストレスで苛々してしまい、最悪なテンションで年を越しそうです(あと20分で年明け)。
ですが、明日起きてわんたちに会う時は笑顔でいたいです。
みんなありがとう!
ボランティアさんいつもありがとう!
ご支援いただきありがとう!
2023年ありがとう!

俺達は頑張っている!

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保護犬シェルター【石松家】の管理人です。
サンホラとプロ野球が好き。

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